アースダイビング中、煉瓦造りが味わい深い
酒類総合研究所の敷地内に物干し場を発見。洗濯マニアは、塀越しにまじまじと観察。
まず「造り付け」というのが贅沢だ。揺るぎない場として配置計画に「物干し場」はじめから組み込まれている。地面はモルタルで固めてあるので、濡れた洗濯物が落ちても、土が付くことがない。
パイプの下部の丸い穴が印象的。いまは針金のコードのようなものが、ジグザグと渡してあるけれど、本来は、棒状の物干し竿を渡したのかもしれない。それも通常の竿ではなく、太い竿が入るであろう径に注目したい。
当研究所は、95年に広島に本部を移転しているため、いまではこの煉瓦造りの酒蔵工場は本来の使われ方をしていない。95年以前の使われ方であれば、ろ過など酒造りに使われる「麻袋」などがある。これぞ「予定された洗濯物」ではないか。
この「造り付けの物干し場」は本来はそうした重たい麻袋(濡れるとさらに重量を増す)を干すために頑丈に作られたに違いない。現在の洗濯物といえば、研究員の作業服程度なので、針金コードで事足りるのである。
ちなみに
独立行政法人 酒類総合研究所は、日本で唯一のお酒に関する国の研究機関、だそうだ。関係ないけれど、酒を研究しながら人生を過ごすなんて、素敵だ。