いま住んでいる築30年のマンションは、居室が2部屋あって、両方ともが畳の部屋です。マンションの中の畳の部屋は、手持ちの家具にどうも馴染まないし、カーテンとの関係もすっきりしない。空間としてどうも締まらない。なので一部屋は敷物をして畳を隠し、一部屋は畳を上げて床板を張り、洋室に変えて住むつもりでした。
でも賃貸なので、畳を搬出するわけにもいかない。だから壁の片側に積み上げて、6畳×6センチで高さ36センチ。回りを板で囲むなどして一畳の「小上がり」にする(してもらう)計画でした。へたなスケッチを描いて施工主の相棒にわたすと、一言「まるで牢名主だな・・・」。
しかしながら・・・とりあえずそのまま住み始めてしまうと、畳の床の足触りや座った感じがとてもいい。畳の部屋は捨てがたい居心地のよさなのです。大きなテーブルがあるのに、ちゃぶ台を人から借りて、座の生活をしています。計画は頓挫し、なしくずし的インテリア。ま、いっか。
写真は、茅ヶ崎駅近くの畳屋の牢名主猫。牢名主になるにはこのくらいの風格が必要です。