ポルトガルは印象的な国です。一人でイベリア半島を1ヶ月ほど旅した頃はアルバロ・シザにはまっていて、バスや電車でトコトコと出かけて、彼の建築をいくつかみました。 なかでも印象的だったのがポルト大学です。学生たちであふれていても静寂さがある。シザが建築界の詩人といわれるゆえんを肌で感じたのでした。 シザはポルトガルでは国民的な建築家で(現地ではシザ・ビエイラと呼ばれてる)、プロダクトデザインも手がけ、こんなグラスもデザインしています。2回目のポルト旅行で手に入れて、割れないように手荷物で持ち帰りました。ポートワイン用なので普通のワインには適さないと思うのだけど、指のひっかかりが特徴的なデザインが好きなので愛用してます。ワイングラスという一見完成された形からの引き算の「リ・デザイン」がうまいなと思います。 写真のワインはポルトガルでよく飲んでたヴィーニョベルデ。現地では緑のワインと言われる、微発泡ワインで、アルコール度数が少し低くて淡麗辛口のキリッとした味わいがかなりのお気に入り。人に勧めていたらまわりにファンが増えてきました。 1本861円。ネットで数本まとめて買ってます。 問題は輸送の過程でか炭酸が抜けやすいこと。ロットによって発泡具合にあたりはずれがあります。軽い飲み口なので現地人はもっぱらランチに飲んでいました。ラベルのボルダード・ドゥ・フィレ(ポルト民芸のレース編み)も涼しげでいい感じです。 ---- 余談。これは私のかなりの自慢なんですがシザとお話したこと。 ポルト大学の学食に並んでいたらシザ先生に話しかけられたのです。 シザ:日本人かな? 私:はい。このすばらしい建築を見にはるばる来ました。(つたない英語でこの建築のすばらしさを語るわたくし)。 シザ:ふふ。遠い日本にも行きたいけど、あんな事件もあったからねぇ(911の直後だった) と、とってもやさしげに語る、ヒゲの似合う素敵なオジサンなのですが、 当の私はシザの顔を知らなかったので 私:ところで大学教授ですか? シザ:教授でもあり建築家でもあるんだけどね・・ 私:へぇ。 後日、ガリシア現代美術館でシザの本の後ろの方に出てる写真を見て気づいたのでした。感が悪いですねえ。
by ikenouchimiwa
| 2008-04-04 14:08
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